2011年12月6日火曜日

MBTIによる4つ組のパーソナリティ分析

以前、大学のマネジメント系授業でMBTI(Wikipedia,関連書籍1,関連書籍2 )という「ユングの類型論の指標(内向:I‐外向:E、感覚:S-直観:N、思考:T‐感情:F)に、判断的態度:Jと知覚的態度:Pという独自の指標を加えて、4指標16タイプで性格を考える」パーソナリティ検査を受けた事があります。

この結果は面白いもので、「異なったパーソナリティでものの見え方が異なる」、「自分のパーソナリティを理解して、キャリアを選択する」のに役立ちました。機会がありましたら、このエントリーをご覧になられた方も受けてみると自己理解の助けになるかもしれません。
 
検査を受けた時のエピソードと、その結果はこんな感じです。

異なったパーソナリティでものの見え方が異なることを観察するため、授業では面白い実験を行いました。上掲の思考(T)タイプの人と感情(F)タイプの人に同じ風景写真を見て貰い、それぞれ写真を言葉で説明してもらいます。

すると、思考(T)タイプの人は、「遠くの高い山のふもとから流れてくる川のそばです。天気は晴天です。ヨーロッパ周辺の外国と思われます。」というように説明するのに対して、感情(F)タイプの人は「なんだかぽかぽかと気持ち良さそうです。緑が豊かです。私もそこに行ってみたいという気持ちになります。」というような説明をしました。この顕著な違いに、クラス一同が「おーっ」と盛り上がりました。

自分のパーソナリティを理解して、キャリアを選択するという点では、総合職から専門職指向になるきっかけになったと思います。また今振り返ると、アスペルガーの確定診断時の心理検査結果と重なる点が多いですね。

ご参考までに私の検査結果はこちらになります。
私を直接ご存知の方は検査結果を見てどういう印象を受けられるのかなー(^^;。

2011年11月29日火曜日

対人関係で悩んで鬱になりかけたときの応急措置フロー

昨日、ツイッターで行き違いがあり、先方からリムーブ&ブロックされ、とても悩みました。私はこういうとき鬱に沈み込みがちなのですが、いくつか応急措置を工夫をして沈まずにすみました。

私を含めて対人関係に悩みがちな人にはちょっとしたTipsになるかもしれませんので、やってみたことをブログに書いてみます。


手順
  1. とりあえず、頓服
  2. 自分と先方の発言を冷静に見直し、反省する
  3. その場から離れて、拘りを抑える
  4. 自分宛に前向きな対処のメールを送って、善処策を立てる
  5. しばらく他のことをして、意識をそらす
  6. 自分宛に送ったメールを読んで、自分を後押しする
  7. 妻に話して、客観的な意見を聞く
  8. 日記に書いて、学びを得る

以下、長くなりますが、実例を通してご説明します。


1.とりあえず、頓服
これだけで落ち着くものではないですが、とりあえず。


2.自分と先方の発言を冷静に見直し、反省する

先方のツイート(特定できる箇所は一部省略しています)
 今日の日経新聞では、スティーブ・ジョブズ氏のような起業家を養成するビジネススクールを特集している。多くの発達障害の専門医は単刀直入に、彼をアスペルガー症候群であって、周囲の人は、何となくその才能を開花させたと理解していると。
となれば、このアスペルカーの特色とその生かし方をビジネススクールで教えるべきだろうと思う。この発達障害をもつ人の脳は、人類が狩猟採集文明の時に、天才的なハンターとして形作られた。つまり、一定の獲物を決めたら徹底的にそれを追求する。
周りの人の意見を無視し、時には罵倒してまで目的の獲物を追及する(過剰集中、つまり過集中)。そして、終了したら、ジャングルの中で自分が狙われていないかキョロキョロする。誰が何かを話しかけても、一点に気持ちが集中しない。つまり、注意欠陥である。
有難うございます。私もそれがいいたいんです。 @○○ 私は一人一人違うのに画一化していく在り方の限界を感じる。相手をわかる感性があれば障害は障害にならない。個が活き皆が生きれる世の中は感受性を養っていくことで実現の道が開かれる。
私のツイート
まともな専門医はそんな簡単にアスペルガーの診断出しませんよ
個人差はありますがアスペルガーは、その感性(脳の機能)の障害を特徴としています。この機会にご理解のほどよろしくお願いいたします。
先方のツイート(特定できる箇所は一部省略しています)
「発達障害を外部の人たちに理解してもらうためにはわかりやすく発信しよう」と意見の一致を持っています
もちろん、「本人に会って診断してみないとわからない」という前提ですが、仲間内でそんな話題を出しています。いうまでもなく、このようなことは身近な人たちに対しては出してはいけないとも思いますが。@clayowl さんとは今後、いろいろと意見を交換できそうです。
ここまでの先方のツイートやここででフォローして頂いたことから、これまでの私のツイートには問題がないようです。(ここまでの私のツイートのほうが煽っているように感じるのですが)

私のツイート
ご返信ありがとうございます。私もわかりやすさは大切だと思います。但し、一見わかりやすい表現は、時に大切なことが抜け落ちる事や、別の意味に受け取られる事があるように感じています。
今回のケースでは、ジョブズという著名人を例に多様性への配慮を訴える言葉であったと、後からお話し頂いた文脈から解釈しました。
しかし、ジョブズがアスペルガーという事実が明らかでないこと、アスペルガーの多くは彼のような特別な能力を備えていないという事実が抜け落ちている点が問題かと思います。
例えば、ジョブズという特異な例を用いているため、多様性への配慮よりも天才性の発掘という趣旨が強調され、大半の支援ニーズとは異なった点が際立ってしまっています。
仮に、ビジネススクールでジョブズのような人材を活かす方法を教えたとしても、大半のアスペルガーにとっては、むしろ有害なものとなるでしょう。それは多様性のごく一部への配慮でしかなく、その一部を持たない人も多いからです。
実際、私はその有害な出来事に直面したことがあります。偶然ですが、それはビジネススクールの社会起業教育ブームの弊害とも言えるものでした。
わかりやすい言葉は、人の心を動かす力を持ちます。それは他人だけではなく、自分自身をも思わぬ方向に動かしていきます。それだけに、その言葉の使い方には慎重さが求められるかと思います。
ブログと当事者会のご紹介ありがとうございます。また意見交換をさせてください(^^)
ここでリムーブ&ブロックされましたので上掲ツイートに問題があるようです。
「ビジネススクールの社会起業教育ブームの弊害」という言葉は、ビジネススクールを揶揄しているものですので、関係者でしたら眉をひそめるかもしれません(実は私も関係者ですが)。他は異なる見解というレベルと考えられます。
そして、これから私の自罰的混乱が暫く続きます。


ブロックされた状態でこのツイートをご覧になれるかわかりませんが、感情を害されたことがありましたら、お教え頂ければ幸いです。また本日午前の意見交換をご覧になった方で他に感情を害された方がいらっしゃいましたら、理由をお教え頂けると助かります。
私の感覚って歪んでいるのかな。。。トラウマがある所だから余計に変な拘りが出たのかな。反省しよう。
10分くらい悩んで惚けてしまった。。。先方の考え方も尊重したうえで誠実に意見を伝えたつもりなのだけど、確かに自分が拘っている箇所に攻撃性が出ているな。。。不快な思いをさせて申し訳ない事をしてしまった。
この時点で「発言したとたんに不安にかられて自罰的行動を取る」と臨床心理士に指摘されたことを思い出し、次のステップに進みました。


3.その場から離れて、拘りを抑える

気分転換に眼の調子が悪かったので市街の眼科に行きました。それでも頭のなかで自責の念がぐるぐる回るので、次のステップを試みました。


4.自分宛に前向きな対処のメールを送って、善処策を立てる

自分宛に「気にするな」という趣旨のメールを送信しました。これは以前TV番組で物事を断るのが苦手な人は自分宛に「無理するな、断れ」という趣旨のメールを送って、時間をおいて読み返すと他人からの言葉のように錯覚し、安心感をえて断りやすくなる。という内容を応用したものです。


メールの内容は以下のとおりです。

 ちょっと感情的で辛辣になったのは確かだけど、そこで止まったら成長も止まる。同じ失敗を繰り返さないと心に決めたら、あとは気にするな。
相手には悪いけど、ここで自罰的な行動を取らないようにする練習の機会と思え。それと同じような議論をして大丈夫だった人もいたことを思い出せ。

今回の学び。
人の感じ方は様々
自分の感情的バイアスを理解して行動する
人の感情を損ねるモノの言い方はしない

そして、これは練習。自罰的行動を取らない。そういう時は気分転換をする。この練習は今回のようなコスト無しでは出来ない。有難い機会と思って練習しよう。
バスの中でポチポチとiPhoneで打って自分宛に送信しました。


5.しばらく他のことをして、意識をそらす

眼科の診察を受け、それからドトールでJavaの勉強を1時間ほど集中してやっていました。集中したせいか、自責の念はすでに薄らいでいました(気分を害した先方には申し訳ないですが)。




6.自分宛に送ったメールを読んで、自分を後押しする

ドトールで先に送信したメールを読みました。なるほど、相手には申し訳ないけれど今回は勉強させて貰おうという思いと、今後もこの方法を使っていくために手順をブログに書こうかなと思い始めました。それからブックオフで軽い読み物を何冊か買って、好きな音楽のCDをTSUTAYAで借りて帰宅しました。



 7.妻に話して、客観的な意見を聞く

子供が「今日こんなことがあったよー」というような調子で妻に出来事を話しました。妻は私のトラウマ(上掲私のツイートの弊害といっていること)を知っているので、「人それぞれ考え方は違うから悪いわけではないけど、もうそういう人とは付き合わない方がいいよ。あと以前はこんなことに悩まなかったよ。やっぱり自信を無くしているんじゃない?」という返事でした。
この時点で心のわだかまりはほとんど無くなっています。あとは学びですね。



8.日記に書いて、学びを得る

学びを得るために一日を振り返り日記に書きました。日記の抜粋はこんな感じです。
※私の日記は認知のゆがみを訂正するために「よかったこと」「わるかったこと」をそれぞれ同数書いています。

【総評】
ツイッター上で発達障害の「わかりやすい表現」について意見交換をしていたところ、相手の方の表現の仕方が私のトラウマに重なったため、「わかりやすい表現は大切だが、使い方を誤ると思わぬ方向に行き、多くの人を傷つけることもある」という趣旨の意見を告げたところ、相手を怒らせてしまい、リムーブのうえアカウントをブロックされる。それに傷つき鬱に陥るかけるが、意識的に気分転換をはかって乗り切る。また、何より老婆に話しをして味方についてくれたのが嬉しかった。
その他、研究やOCJP学習は順調に進んでいる。研究は表だった進捗は乏しいが、分析フレームがかたまったので、これから速度をあげられるだろう。

【今日よかったことは?】
・苦手な対人関係の問題に直面しても鬱に陥らなかった。
・トラウマに対して比較的冷静に対処できた
・研究、学習ともに順調に進んでいる

【今日わるかったことは?】
・相手の感情や背景を配慮しない事をツイートし、相手の感情を傷つけた
・対人関係に悩み、1時間ほど時間を無為に過ごした
・運動量が少なく運動不足の状態が続いている

【明日はどんな日にしたい?】
朝、気分転換と運動不足解消のため長めにウォーキングを楽しみたい。今日借りてきたCDを聴きながら歩こう。研究、学習、開発をバランスよく目標値まで実施する。日付が変わる前には就寝したい。

こんな感じに対処して、気持ちの良い翌日を迎えています。

2011年11月15日火曜日

パワハラ等の労務問題への対処方法


アスペルガーなどの軽度発達障害を抱えて仕事をしていると、パワハラ等の労務問題に直面することもあるかと思います。そうした時の対処方法について調べることがありましたので、ケース別に対処方法を記録しておきます。なお対処は、労働保険に加入した社員であることと、2011年11月時点の規制や補償を前提としています。


ケース別の対処方法

1.過剰労働の強要や障害による差別などパワハラがあった場合
管轄の労働基準監督署に相談します。訴えが妥当であれば、労働基準監督署から事業所に指導が行われます。
なお、後日証拠(エビデンス)として使用することもあるので、労務記録は個人的に保存しておきます。


2.心身の不調で就業が困難となった場合
たとえ会社から解雇勧告があっても休職とします。休職期間中は会社側に特段の補償制度がない場合でも、平均給与の60%が半年間傷病手当金として支給されます。執拗に解雇を強要される場合は、労働基準監督署に相談します(労働法上、解雇できません)。

# ここで労災認定が得られるなら得ても良いかもしれません。


3.就業上の理由で精神疾患となり、離職・休業に至った場合
労働基準監督署や公共の労務相談窓口などで労災認定の相談をします。精神疾患の既往歴がない場合は労災認定が行われる事があります。労災認定が行われると休業期間の給与80%、医療費が補償されます。
但し、現在の認定基準(平成21年4月改訂版)では、就業上の理由となる出来事の前に精神疾患に罹患している場合、既往症の憎悪として認定は難しくなります。
例えば、精神障害者手帳を保有しており、障害者雇用された環境下では、明らかな過剰労働(例:月400時間で半年労働等)が立証できたとしても、労災認定は厳しくなります。
但し、年々認定基準は緩和傾向にあり、今後は認定を受けやすくなるかもしれません。
なお、労災の休業補償には2年間の時効期限があります。


4.パワハラで離職・休業に至った場合
「1」の続きになりますが、給与や残業代未払がある場合は、エビデンスを添えて会社に請求書を送ります。その際、回答期限は1週間程度とし、簡易書留で送付します。その返答を受けて労働基準監督署に相談をします。
精神疾患で離職後休業を余儀なくされた場合は、「3」のように対処します。なお、パワハラの場合は民事訴訟を起こす事もできますが、ある弁護士の話では勝訴は難しいようです。例えば「バカ、給料泥棒」などと叱責を受けたとしても勝つのは難しいとのことでした。
なお時効は、賃金未払は2年、不法行為(パワハラの民事)は3年です。


まとめ

離職後に補償を求めた場合、時効期限に負われながら自分のトラウマに立ち向かうことになります。しかし残念なことですが、労災認定や民事の勝訴は難しく、割に合わない印象を受けます。

そのため現時点では、運悪く労務問題が発生した場合は、自分の傷が深くなる前に対処(貰うものは貰う、休むものは休む)したうえで環境が改善されないならば、早々に別部署に移るか転職するのが良いのかなと感じています。



追記:
調べた範囲では被害者がだいぶ不利なようですので、よい情報があればお教え下さい。

2011年10月31日月曜日

アスペルガー症候群特性の「傾向と対策」作成作業フロー

私が行っているアスペルガー症候群特性の「傾向と対策」をつかむ方法を、作業フローとして図示※してみました。



作業フローは、Google Docsを利用して作成しています。こちらから元データにアクセス&コピーしてご自分用にカスタマイズすることもできます。


私の作業フローは、「他者からの評価」と「対策の結果」からフィードバックを得て、自分自身が認識している傾向と対策を補正していくことにポイントを置いています。

そのため、この作業フローを効果的に実施する為には、何かと相談できる他者(家族、友人、会社の人、医療専門家、支援者など)との関係作りが大切になってくると思います。






※作業フローの描き方は、IT業界でよく使われるDFD(データ・フロー・ダイヤグラム)に準拠しています。円形が作業(処理)、四角形が文書などの情報(データ)、矢印が情報の流れ(フロー)を表します。情報の流れは、円形に向かう矢印(→○)が情報のインプット、円形から出る矢印(○→)が情報のアウトプットを表します。

2011年10月28日金曜日

心理検査結果と経験から考えるアスペルガー的特性の活かし方と補い方の概要

これまでに心理検査結果からポジティブ/ネガティブ評価の分類を行い、過去のアスペルガー的経験から私の特性を観察しました。これら二つの分析結果を受けて今回は、私のアスペルガー的特性の活かし方と補い方を仕事と生活の両面から概略をつかもうと思います。



二つの分析結果から、まず仕事面においては、専門的技術者(テクニカルスペシャリスト)としての仕事に集中することが、特性を活かし、補うことに繋がると考えています。
生活面においては、回復と実践の二段階の対応が必要と考えます。第一段階は、休養による過労の回復と、安心できる人間関係(妻や友人達)を基盤とした心的外傷からの回復です。そして第二段階は、失敗を繰り返さない(自他を傷つけない)ようにするソーシャルスキルの習得です。時間のかかる心的外傷からの回復を兼ねてソーシャルスキルの習得には、安心出来る人達に相談し、頼ることが助けになると考えています。



仕事面において、テクニカルスペシャリストとしての仕事に集中することは、一貫してIT技術者として仕事をしてきたバックグラウンドを活かすことでもあります。しかし、今まではIT技術者でありながら、対人折衝に大半の時間を使うポジションで仕事をしていました。そのポジションでは、ある程度の成果を出すことができ、自己肯定感を向上させることもできた一方で、強いストレスを抱えやすく、時として心的外傷を負うこともありました。

そのため、一定範囲の仕事を切り出して受けやすく、特定の目標に対して合理的に技術を駆使して問題を解決
することが求められるテクニカルスペシャリストとしてのポジションでキャリアを積んでいくことにしました。

このポジションでの仕事は、技術進歩に対応して新しく習得する事が多い事も特徴的です。しかし、心理検査の結果では、新しい学習場面での対応力や法則性の読み取りに強みが見られ、経験的にも継続的学習はむしろ楽しく、自分自身の強みとして実感が持てているため、適性があるだろうと考えています。



生活面においては、強みを活かすことよりも周囲に頼り、特性を補うことが多そうです。

第一段階では、今現在の生活が再就職に向けてのストレスで頑張りすぎていないか、妻と相談しつつ適正な負荷に調製して過労から回復していきます。経験から過労への対処は大切だと思っています。疲労が重なり体調を崩すと特性の弱みとなる部分が多く現われてくるためです。
過労がある程度癒えてきた所で、親しい人達に再就職について相談したいと思います。他者に頼り、それが許される体験を積み重ねることで、心的外傷から徐々に回復したいと思います。

第二段階である失敗を繰り返さないためのソーシャルスキルの習得では、拙速にならず、長期間のスパンで対処して行く方針を取ります。なぜなら苦手な事なのですから時間がかかるのは当然ですし、拙速に習得しようとして執拗に対策を立てていっても、絵に描いた餅のように食べられないものになってしまうからです。
但し、ソーシャルスキル習得にあたって、専門家(カウンセラー)の力を借りるかは、少し悩みどころです。経験からカウンセラーも他の専門職と同様、スキルにバラツキがあり、アプローチによって相性もあるためです。
そこでひとまず、このブログに書いている自己分析について親しい人達に相談し、対処することの優先順位を決めて少しずつ学んで行きたいと思います。カウンセリングについても妻に一旦相談するとして、さしあたり妻から耳たこのように言われている健康管理について夫婦二人三脚で歩んでいきたいと思います。



今回の考察を通して、仕事と生活両面での方向性とその速度が見えてきました。また自分一人での分析や対策だけではなく、親しい人の助けを借りることが大切であることの認識が深まりました。
自分が向かう所が見えれば、対策も立てやすく、人にも相談しやすくなります。過労の回復と健康管理が大切なスタート地点あることも再認識しましたので、最も親しい人である妻と相談しつつ、歩みを進めたいと思います。

2011年10月25日火曜日

アスペルガー的仕事特性の把握と改善レシピ ~ 心理検査結果と似たタイプの人達を参考にして


仕事のやりかたを改善するために特性を把握しようしても過大評価や過小評価をしやすいようです。
そこで今まで一緒に仕事をした自分と似たタイプの人達の特徴をまとめて、間接的に自分自身の特性把握と改善案を考えてみました。
また、特性把握にはアスペルガー症候群の確定診断に用いられた心理検査結果報告書も参考にしています。

【自分自身の特性】
  • 高い自己像と現実のギャップ
    • ハイパフォーマーであっても自分の能力に満足せず、劣等感に悩んだり、スキルアップに励む
    • 仕事量や難易度を過大または過小に見積もりやすい
    • 競争心が強く、他者に対して辛辣になる
  • 特定の状況下での高い成果
    • 上下関係や役割が明確な場合、強いリーダーシップを発揮して高い成果をあげる
    • 明確な目的と適切な目標値を与えられた場合、高い成果を発揮する
    • 関心分野の仕事に対して熱意と高い集中力を持つ
  • 期待される役割と自己認識している役割の相違
    • 自分の役割を超える事柄に対して強く自己主張する
    • 期待されている役割を簡単な仕事として軽視しやすい
    • 他者の役割に干渉を加える(干渉が負荷になって過剰労働しやすく、コミュニケーションも阻害されやすい)
  • 自己主張の強さ
    • 自己主張に強く固執し、反論の余地を与えない
      • 言語表現力が高い場合は、緻密な論理展開で主張を貫く
      • 言語表現力があまり高くない場合は、威圧的に主張を貫く
    • 自己主張に一致する事柄を過大評価しやすい
    • 自己主張に反する事柄を過小評価しやすい
    • 自己主張に反する他者への攻撃性が高い
    • 自己主張を貫けない場合、士気が著しく下がり、しばしば非協調的態度を取る
      • 現在のふくろうは二次障害から自己主張が弱くなっているため、この傾向が強いかもしれません
  • 目的達成への強硬な姿勢
    • 目的達成の為には自他共に対して厳しい
    • 目的達成の障害に対して強い攻撃性を見せる
    • 目的達成の為には、しばしばルールを破り、破ったことに対して論理的に正当性を主張する(俺ルール)
  • 失敗や誤りに対する姿勢
    • 強く固執していた自己主張であっても、一旦誤りや思い込みに気づくと憑き物が落ちたように固執しなくなるが、その理由について十分な説明を行わない(周囲からは一貫性が欠如して見える)
    • 執拗な原因究明を行うが、自分が最終責任を取ることは回避する(失敗から真に学ばない)
    • 過度の懲罰的行動を自他に対して取ることがある
  • 他者(人や組織)への過度の期待と対人希求性
    • 他者に、こうあるべきという固定的なイメージを持ち、これに反する事に厳しい
    • 面倒見は良いが、厳しすぎる指導で疎まれることがある
    • 期待に応える他者や自分を信頼する他者に対して、無防備な信頼と感情移入、過大評価をしやすい
    • 期待に応えない他者や自分を信頼しない他者に対して、冷徹な批判と過小評価をしやすい
    • 期待に応える他者や自分を信頼する他者が見つからない場合に孤立しやすい
  • 仕事と私生活の境界の曖昧さ
    • 過剰労働に陥りやすい(体調不良を起こしやすい)
    • 気分転換が出来ず、ストレスを蓄積しやすい(精神疾患を患いやすい)

まとめた内容を概観すると、自分自身にもよく当てはまるようです。
ここから導かれる改善案には次のような事があげられそうです。

【改善案】
  • 自己像の補正
    • 客観的な資料に残して自他が評価できるようにする
    • 自己のパフォーマンスを他者から評価してもらう
  • 成果をあげられる状況で仕事をする
    • 顧客と自分といった明確な役割下で仕事をする
    • 特定範囲の仕事を切り出した形で仕事を受ける
    • 自分の関心分野を見極め、そのスペシャリストとなる
      • スペシャリストであれば、役割も明確にしやすく、特定範囲の仕事を切り出しやすい
  • 役割認識の補正
    • 一般論で自分の役割を振り返り、自分の役割に集中する(オーバーコミットメントしない)
    • 役割が不明確な場合は、意思決定権を持つ人と逐次コミュニケーションを取りつつ仕事を進める
    • 他者の役割については、アウトプットをインタフェースとしてプロセスには干渉しない
    • 可能であれば、役割を文書化して役割の認識を共有する
  • 自己主張に柔軟性を持たせる
    • 最初に他者の主張を確認し、これに自己主張を統合(すりあわせ)する
    • 自己主張を文書や図で表し、他者からのレビューを得やすくする
    • 予め目的を明確化し、自己主張が目的に合致するか確認する
    • 他者の主張や反論が誤っていると思われる場合は、1)誤りを指摘する価値、2)自分の指摘の妥当性、3)発言してよい状況や役割かを考慮して発言する
  • 目的達成の手段は慎重に選ぶ
    • 目的達成による成果の大きさに応じて厳しさにさじ加減を行う(さじ加減が苦手なら得意な人に頼る)
    • 目的達成の障害に対して攻撃よりも交渉や譲歩の道を探る(交渉や譲歩が苦手ならば得意な人に頼る)
    • 独断でルールを変えず、上位の意思決定者に理由とルールを変える効果を提案して、その決定に従う
  • 失敗や誤りは影響に応じて対処する
    • 目的に対して大きな影響を与えない失敗や誤りに対しては自他ともに寛容になる(例えば笑いのネタにする)
    • 他者に大きな影響を与える自分の失敗や誤りについては説明責任(原因と改善策)を負う
    • 失敗から学ぶことに重きを置き、懲罰的行動は自他共に対して取らない
  • 他者に期待するよりも頼る
    • 自分も不完全な人間であることを振り返り、「○○であるべき」という見方を避ける
    • 自分が思う「その人のため」の指導より「その人や組織が欲している」指導を行う
    • 自分が頼られることの嬉しさを振り返り、他者に頼る
    • 誰しもが不完全な人間であることを振り返り、良くも悪くも絶対的な評価は避ける
  • 仕事と私生活の境界を明確にする
    • 仕事のための人生ではなく、人生のための仕事だと振り返る
    • 日記を書いて一日の出来事を清算する
    • 家族や友人との時間を大切にする
    • 自分の関心分野の趣味の時間を大切にする

改善案を書き出しただけですと描いた餅(仕様書)ですので、それぞれの改善案を実行するためのソーシャルスキルを定義して練習(実装&テスト)していくと良さそうです。
あと心理検査結果報告書で示された評価間の因果関係を明らかにして、改善を阻害する項目に対処していくのも良いかもしれません。

2011年10月22日土曜日

アスペルガー症候群確定診断時の心理検査結果分析(強み弱み凸凹色分け)

アスペルガー症候群の確定診断に用いられた各種心理検査結果の報告書です。
ポジティブな評価(強み:凸凹の凸)は青色ネガティブな評価(弱み:凸凹の凹)は赤色で色分けし、自分の傾向を見えやすいようにしました。心理検査を受ける予定の方が内容を推測できると、その人にとって正しい検査が出来なくなるかと思いますので、一部情報はカットしてあります。

2011/12/05追記:
  • WAIS-IIIの下位評価項目はWikipediaにも掲載されており、かつ重要な情報というお話しを伺いましたので、下位評価項目を追記しました。
  • タイトルが冗長だったので変更しました。


【WAIS-III】
 言語性IQ=140
 動作性IQ=113
   全IQ=130(最優秀レベル130~)    discrepancy=27↑

言語理解=136)
・(単語=18)抽象概念操作能力が高く、難しい言葉の意味も良く理解している
・(類似=17)上位概念や言葉の本質を捉えている
・(知識=13)学校教育で身につけた知識も高度なレベルで定着している
・(理解=19)言語表現力や一般常識・知的な判断が大変優れている

作動記憶=107)
・(算数=13)長い文章を聴いて理解し、暗算で計算する能力が高い
・(数唱=16)単純な数字の記銘保持再生能力が優秀
・(語音整列=5)2個以上の聴覚刺激を記銘し保持再生することが苦手であり、不器用な面がある

知覚統合=112)
・(絵画完成=9)視覚的注意集中がやや低く、たいていの人が眼に入るような事を見落としていなり、気づかなかったりすることがある
・(絵画配列=13)前後から推察する事が得意で、状況の文脈や前後関係・空気を読み取る事が出来る
・(積み木=13)物事を分析し統合する能力が高い
・(行列推理=14)視覚情報の法則性を読み取り、推理することに優れている

処理速度=113)
・(符号=11,符号再生満点)眼と手の協応動作は、平均以上のレベルで、新しい学習場面でも正確に視覚情報を取り込み、素早くこなすことが出来る
・(記号=14)必要な視覚情報を素早く抽出する能力が高く、事務処理は平均より高いレベルでこなすことが出来る


【WAIS-IIIまとめ】
知的能力は非常に優秀なレベルですが、2つ以上の事柄の同時処理が苦手な点が顕著です。また、たいていの人が気付くような事象が眼に入らない面があります。処理速度も平均以上で、言語能力は高く、論理的思考にも優れているにもかかわらず、実際の生活場面では、不器用な面が際立ってしまうと推察されます。

【ロールシャッハテスト】
・物事を判断し行動に移す時、感情に任せて決めてしまう時と、いろいろ考えあぐねて決められず時機を逸してしまう時がある
・行動に一貫性が無く、失敗から学ぶことが少ない
・精神活動性は平均レベル
・相手の意図を汲んで、適切な言葉で細部にわたり説明することが出来る
・細部まで良く注意が行き届き、把握することが出来る
・知的能力が高い
・他者に対しての警戒心が強い
・基本的安全感が脅かされている状態が慢性化している
・常に人の思惑を気にする傾向が慢性化している
・対人希求性が高い
・人に対しての期待が大きい
・外界に対して観察力が鋭い
・全体を常に良く目配りしている
・非常に独りよがりなものの見方や考え方に固執する傾向がある
・複雑な感情刺激が渦巻くような場面では、被害的になることがあると推察される
・抑うつ感と同時に不安感が非常に強くなる点が特徴的
・人との距離が近くなると不安が強くなる点が特徴的
・対人希求は強いものの、関係が深くなると不安も強くなり、安心して人と関わることが出来ず、落ち込むと不安に苛まれるという傾向があり、穏やかな心持ちで暮らすことがなかなか出来ない
・積極性や意欲は潜在的にはあるものの、思考がまとまらず、知性化防衛や反動形成をしばしば用いるため、人との関係が不安定でイライラ感が常に高い状態
・人に対してこうして欲しいと言う欲求を持ちながらも、自分から働きかけることが出来ずに、期待通りに行かないことに恨みを抱きがち
・対人関係では自己主張が出来ず、他者と協調的に関わることが出来ない為、恣意的な思い込みや、関係念慮を抱きやすい面がある
・感情刺激に対して混乱を引き起こされやすい点が特徴的
・感情を出すと同時に不安に襲われる面があり、気持ちを表明すると同時に自己嫌悪や不安が襲ってくる体験を積み重ねやすい
・不安定で自己存在感が脅かされがちであることが推察される


【AQ-J:自閉症スペクトラム指標】
自閉症スペクトラムの可能性が高いと言えます。特に、コミュニケーション能力とソーシャルスキルが低いと強く自覚しています。

【バウムテスト】
・自分と他者との境界線があいまいで、自分を守ることが下手な人であることがうかがえる
・怒りを内面に溜め込みがちであり、対処能力が低く、現実適応能力が制限されていることが推察される
・要求水準が高く、自我肥大傾向も潜在的にあることがうかがわれる

【PFスタディ】
・欲求不満場面ではほぼ平均的な対応をする事が出来る
・起きた出来事に対して感情的に反応することが多く、その後に、すぐに自分で何とかしなければと言う自罰的問題解決に走る傾向があり、必要以上に自分で何とかしないといけないと焦燥感を募らせ、空回りしがち
・必要な言い訳や申し開きが出来ず、自己主張や自分の意見表明が出来ないため、非常にストレスがたまりやすい傾向がある

【SCT】
・自己否定感が非常に強い
・希死念慮を抱えている
・絶望的な気持ちを抱えている
・父母への否定的な感情が強い
・妻には依存している面と逃げ出したい位の気持ちがせめぎ合っていることがうかがわれる
・自分の能力に対して、自信と自己卑下がないまぜになっており、自己達成感がない
・将来に対してITのスキルアップに対しての意欲はあるものの、投げやりな気持ちもあり、不安定な感情を抱えている
・対人関係は狭く、孤立した状態が幼少期から続いている
・不眠傾向が強く、心身共に健康感がない


【心理検査まとめ】
非常に知的能力の高い人です。集中して一つの事に打ち込むことは出来ますが、2つ以上の事を同時に処理したり、注意を上手く配分するような事が求められる現実場面では、うまく立ち回れない不器用な面があります。感情刺激に左右されやすく、傷つきやすく、デリケートな感受性を備えています。しかし自己主張が出来ず、感情を表そうとすると自己嫌悪や不安に襲われてしまうために、対人関係では警戒心を強め、ますます自分で世界を狭めてしまうと言う悪循環が続いています。対人関係の不得手さの背景にはPDD傾向もあると考えられますが、不安感の強さと抑うつ感から現在は注意が配れなくなっていることもあるとも考えられます。PDDがベースにあり、苛められ体験・両親との関係不調等が重なって、何らかの外傷的な体験と過労をきっかけに、適応障害が顕著になったものと推察されます。

希死念慮や投げやりな気持ちと、何とかしたいと言う気持ちがせめぎ合っており、ご本人の苦痛は非常に深いものと考えられます。

報告書のなかに、自己主張が出来ないという点が何度か出てきます。これは「心理検査まとめ」のなかで推察されている外傷的な体験が強い影響を与えていると自己分析しています。社会人になってからは自己主張が強すぎるほどのキャラクターだったのですが、 昨年仕事をしている際に強烈な経験をし、うつ病で1年半ほど伏せっていました。ようやく回復してきたところで心理検査を受けた為、外傷的な体験の影響が強く残っており、自己主張が出来なくなっているものだと思います

これで報告書の各評価項目を抽出し、ポジティブ/ネガティブの分類が出来ましたので、今度は、ポジティブな部分をいかに活かし、ネガティブな部分をいかに補うかの概略を考えたいと思います。

その次に、各評価項目について、次のような対応項目を作って、傾向と対策の理解を深めたいと思います。

  • 意識している/していない
  • 先天的/後天的(生育環境と学習によるもの)/一時的(二次障害によるもの)
  • 今までの対処
  • 望ましいと思われる対処
  • 重要度
  • 難易度

アスペルガー症候群の確定診断と医師の所見

今日は成人発達障害の専門外来で確定診断を受けてきました。
診断は「アスペルガー症候群、但し軽度」とのことです。

いくつかの心理テストを受けましたが、そのうち主にWAIS-IIIの結果(全IQ=130,言語性IQ=140,動作性IQ=113,discrepancy=27↑)が、診断に影響を与えている様子でした。医師の言葉を借りると、次のようになります。

知的能力を示す言語性IQが高い一方で、作業能力を示す動作性IQが低いため、自分が頭で出来ると思っているほど、作業が出来ず、理想(過度の目標)と現実のギャップがストレスとなりやすい。
しかし、動作性IQも平均以上を示しており、仕事のうえでは問題にはならないだろう。また、ソーシャルスキルも年齢と共に積み重ねられ高くなっており、アスペルガー症候群としても軽度である。
現在の精神疾患の症状は、1)過度の目標と現実のギャップによるストレス、2)心的外傷、3)過労から来ていると推察される。
対処として、薬物療法を継続しつつ、まずは過度の目標を普通のレベルに下げるところから始めるとよいだろう。

私は10年来心療内科や精神科に通院していましたが、現在の専門外来に転院してから、薬物療法の効果が目に見えて出てきました。過度の目標を下げる事も自らを振り返って納得の行く指示でした。今後も医師の指示に従いたいと思います。

確定診断とともに頂いた心理検査結果の報告書も示唆に富むものでしたので、これらについても分析して、医師の指示を仰ぎながら少しずつ回復・改善していきたいと思います。

はじめに - アスペルガー症候群の先輩たちへの謝辞

このブログでは、アスペルガー症候群の確定診断を受けているIT技術者(私:ふくろう)の行動特性(仕様)について分析し、その特性への対処方法を(仕様書のつもりで)記録して行きます。

私個人の為の記録ではありますが、ブログとして公開することで同じ悩みを持たれる方の参考になれば幸いです。

また、私がブログとして公開しようと思った契機は、やはりアスペルガーで技術者として仕事をされている方々のサイトが私にとって助けになった為です。この場を借りて次のサイト作成者様に御礼申し上げます。