2011年10月25日火曜日

アスペルガー的仕事特性の把握と改善レシピ ~ 心理検査結果と似たタイプの人達を参考にして


仕事のやりかたを改善するために特性を把握しようしても過大評価や過小評価をしやすいようです。
そこで今まで一緒に仕事をした自分と似たタイプの人達の特徴をまとめて、間接的に自分自身の特性把握と改善案を考えてみました。
また、特性把握にはアスペルガー症候群の確定診断に用いられた心理検査結果報告書も参考にしています。

【自分自身の特性】
  • 高い自己像と現実のギャップ
    • ハイパフォーマーであっても自分の能力に満足せず、劣等感に悩んだり、スキルアップに励む
    • 仕事量や難易度を過大または過小に見積もりやすい
    • 競争心が強く、他者に対して辛辣になる
  • 特定の状況下での高い成果
    • 上下関係や役割が明確な場合、強いリーダーシップを発揮して高い成果をあげる
    • 明確な目的と適切な目標値を与えられた場合、高い成果を発揮する
    • 関心分野の仕事に対して熱意と高い集中力を持つ
  • 期待される役割と自己認識している役割の相違
    • 自分の役割を超える事柄に対して強く自己主張する
    • 期待されている役割を簡単な仕事として軽視しやすい
    • 他者の役割に干渉を加える(干渉が負荷になって過剰労働しやすく、コミュニケーションも阻害されやすい)
  • 自己主張の強さ
    • 自己主張に強く固執し、反論の余地を与えない
      • 言語表現力が高い場合は、緻密な論理展開で主張を貫く
      • 言語表現力があまり高くない場合は、威圧的に主張を貫く
    • 自己主張に一致する事柄を過大評価しやすい
    • 自己主張に反する事柄を過小評価しやすい
    • 自己主張に反する他者への攻撃性が高い
    • 自己主張を貫けない場合、士気が著しく下がり、しばしば非協調的態度を取る
      • 現在のふくろうは二次障害から自己主張が弱くなっているため、この傾向が強いかもしれません
  • 目的達成への強硬な姿勢
    • 目的達成の為には自他共に対して厳しい
    • 目的達成の障害に対して強い攻撃性を見せる
    • 目的達成の為には、しばしばルールを破り、破ったことに対して論理的に正当性を主張する(俺ルール)
  • 失敗や誤りに対する姿勢
    • 強く固執していた自己主張であっても、一旦誤りや思い込みに気づくと憑き物が落ちたように固執しなくなるが、その理由について十分な説明を行わない(周囲からは一貫性が欠如して見える)
    • 執拗な原因究明を行うが、自分が最終責任を取ることは回避する(失敗から真に学ばない)
    • 過度の懲罰的行動を自他に対して取ることがある
  • 他者(人や組織)への過度の期待と対人希求性
    • 他者に、こうあるべきという固定的なイメージを持ち、これに反する事に厳しい
    • 面倒見は良いが、厳しすぎる指導で疎まれることがある
    • 期待に応える他者や自分を信頼する他者に対して、無防備な信頼と感情移入、過大評価をしやすい
    • 期待に応えない他者や自分を信頼しない他者に対して、冷徹な批判と過小評価をしやすい
    • 期待に応える他者や自分を信頼する他者が見つからない場合に孤立しやすい
  • 仕事と私生活の境界の曖昧さ
    • 過剰労働に陥りやすい(体調不良を起こしやすい)
    • 気分転換が出来ず、ストレスを蓄積しやすい(精神疾患を患いやすい)

まとめた内容を概観すると、自分自身にもよく当てはまるようです。
ここから導かれる改善案には次のような事があげられそうです。

【改善案】
  • 自己像の補正
    • 客観的な資料に残して自他が評価できるようにする
    • 自己のパフォーマンスを他者から評価してもらう
  • 成果をあげられる状況で仕事をする
    • 顧客と自分といった明確な役割下で仕事をする
    • 特定範囲の仕事を切り出した形で仕事を受ける
    • 自分の関心分野を見極め、そのスペシャリストとなる
      • スペシャリストであれば、役割も明確にしやすく、特定範囲の仕事を切り出しやすい
  • 役割認識の補正
    • 一般論で自分の役割を振り返り、自分の役割に集中する(オーバーコミットメントしない)
    • 役割が不明確な場合は、意思決定権を持つ人と逐次コミュニケーションを取りつつ仕事を進める
    • 他者の役割については、アウトプットをインタフェースとしてプロセスには干渉しない
    • 可能であれば、役割を文書化して役割の認識を共有する
  • 自己主張に柔軟性を持たせる
    • 最初に他者の主張を確認し、これに自己主張を統合(すりあわせ)する
    • 自己主張を文書や図で表し、他者からのレビューを得やすくする
    • 予め目的を明確化し、自己主張が目的に合致するか確認する
    • 他者の主張や反論が誤っていると思われる場合は、1)誤りを指摘する価値、2)自分の指摘の妥当性、3)発言してよい状況や役割かを考慮して発言する
  • 目的達成の手段は慎重に選ぶ
    • 目的達成による成果の大きさに応じて厳しさにさじ加減を行う(さじ加減が苦手なら得意な人に頼る)
    • 目的達成の障害に対して攻撃よりも交渉や譲歩の道を探る(交渉や譲歩が苦手ならば得意な人に頼る)
    • 独断でルールを変えず、上位の意思決定者に理由とルールを変える効果を提案して、その決定に従う
  • 失敗や誤りは影響に応じて対処する
    • 目的に対して大きな影響を与えない失敗や誤りに対しては自他ともに寛容になる(例えば笑いのネタにする)
    • 他者に大きな影響を与える自分の失敗や誤りについては説明責任(原因と改善策)を負う
    • 失敗から学ぶことに重きを置き、懲罰的行動は自他共に対して取らない
  • 他者に期待するよりも頼る
    • 自分も不完全な人間であることを振り返り、「○○であるべき」という見方を避ける
    • 自分が思う「その人のため」の指導より「その人や組織が欲している」指導を行う
    • 自分が頼られることの嬉しさを振り返り、他者に頼る
    • 誰しもが不完全な人間であることを振り返り、良くも悪くも絶対的な評価は避ける
  • 仕事と私生活の境界を明確にする
    • 仕事のための人生ではなく、人生のための仕事だと振り返る
    • 日記を書いて一日の出来事を清算する
    • 家族や友人との時間を大切にする
    • 自分の関心分野の趣味の時間を大切にする

改善案を書き出しただけですと描いた餅(仕様書)ですので、それぞれの改善案を実行するためのソーシャルスキルを定義して練習(実装&テスト)していくと良さそうです。
あと心理検査結果報告書で示された評価間の因果関係を明らかにして、改善を阻害する項目に対処していくのも良いかもしれません。

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